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2015年10月17日土曜日

特色印刷

【とくしょくいんさつ】プロセスカラーはCMYKの組み合わせで様々な色を印刷できますが、例えば蛍光色のような極端に鮮やかな色や、金銀などのメタリック系の色など、再現するのが難しい色もあります。こうした特別な色を再現したい時は、「特色インク(特色)」で印刷します。

特色とは、あらかじめインクを調合して作る色のことです。プロセスカラーよりもインパクトのある色で印刷できるため、デザイン次第で印象的な華やかな印刷物を作ることができます。このような特色による印刷を「特色印刷」と呼びます。

特色印刷では1色につき専用の印刷版を1枚使います
例えば、よく見かける赤1色で印刷された新聞の折り込みチラシなどは特色による1色印刷です。プロセスカラーの場合、マゼンタとイエローを組み合わせて「赤色」を作るため、2色印刷になりますが、特色の赤色を使えば1色印刷で済むため、その分費用も安く、印刷期間も短縮できます。こうしたことから、特色1色印刷は、早く大量に印刷したい折り込みチラシなどでよく利用されています。
一方で、例えばフルカラー印刷にアクセントとして金色を加えたい場合、プロセスカラーの4色とは別に、金色専用の印刷版が必要になります。つまり4色印刷ではなく5色印刷になるわけです()。その分印刷費用も割り増しになリますが、高級感を演出したい時にはとても効果的です。
このように、目的や費用に合わせて使い分けできるのが特色印刷の面白いところです。

特色インクを利用する時には、インクメーカーが提供している色見本(カラーガイドまたはカラーチップ)の中から、使いたい色を選んで印刷会社に指定します。
よく利用されるのが「DIC(ディック)」や「Pantone(パントーン)」などの特色チップです。チップに書かれた色番号を印刷会社に伝えれば、指定した色で印刷してくれます(チップを切り取って印刷会社に渡す時もあります)。
ただし、同じ色見本でも「第18版」「第19版」など、バージョンにより若干色味が異なる場合もありますから、利用する印刷会社に確認してみると良いでしょう。

特色インクは、やや艶のあるアートコート系の紙で印刷することを目安に調合されます。プロセスカラーでもそうですが、艶のないマット系の紙やザラザラした上質紙などに印刷すると、色見本とは異なる調子になります。特に特色インクの場合、想像していた見た目と異なる印刷になることもありますから、できれば本番の印刷の前に、試し刷りである「色校正」を行うのが望ましいでしょう。


注:他の特色と異なり、金銀などのメタリックカラーは、印刷会社によっては2色扱いになることがあります。そのため、プロセスカラーとあわせて印刷すると「6色印刷」の費用となる場合もあります。利用する印刷会社にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。戻る